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ロコモティブシンドローム

メタボならぬロコモという言葉が近年、注目を集めている。ロコモティブシンドロームの略語で、日本整形外科学会が提唱。骨や関節などの運動器の障害のため、要介護状態になる危険性が高いことを示す概念です。ロコモかどうかをチェックする方法や、予防運動も作られ、専門家はロコモになる危険性を呼びかけています。

 ◆3つの病気

 「脳卒中などについて心配する人は多いが、運動器の障害についてはあまり意識されていない」

 名戸ケ谷病院(千葉県柏市)の副院長、大江隆史医師はそう話す。一度直って退院したはずなのに、また別の運動器に障害が現れて再び病院に来て、やがて要介護になる。ここ10年ほど、そんな傾向が高まっているという。

 医療現場で感じた危機感だけでなく、統計でも運動器の疾患が原因で要介護になる人が多いため、大江医師は平成19年秋、日本整形外科学会理事長の中村耕三東大教授に相談。その際にロコモという言葉が生まれ、20年には日本ロコモティブシンドローム研究会が結成された。

 大江医師によると、ロコモの要因となる病気は3種類。骨の強度が低下する骨粗鬆(こつそしょう)症▽関節の軟骨がすり減り、痛みが出たりする変形性関節症▽神経の通り道である脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり、神経の通りが悪くなる脊柱管狭窄(きょうさく)症-で、この3つの病気などが複合して起きたり、積み重なって運動器の機能が低下し、移動能力が落ちてしまうという。

 ◆チェックと予防

 近年研究が始まったばかりのロコモだが、これまでの研究成果をもとに自分がロコモかどうか点検する「ロコチェック」という方法もある。

 点検項目は、

(1)片脚立ちで靴下がはけない

(2)家の中でつまずいたり、滑ったりする

(3)階段を上るのに手すりが必要

(4)横断歩道を青信号の間に渡りきれない

(5)15分くらい続けて歩けない

-の5種類。

1項目でも当てはまればロコモの可能性があるといい、大江医師は「持続的に症状がみられる場合は、医師の診察を受けたほうがいい」と話す。

 さらに、ロコモにならないための運動「ロコトレ」も提唱されている。骨の強度が弱まることを防ぐとともに、バランス能力を鍛えて転倒しにくくする開眼片脚立ちと、お尻や太ももの筋肉の訓練であるスクワットの2種類だ。

 日本整形外科学会や日本ロコモティブシンドローム研究会のホームページで、詳しい運動方法を紹介している。大江医師は「加齢のためある程度はしようがないが、高齢になっても骨の強度を落ちにくくしたり、筋肉を鍛えたりすることができる。特に50歳ぐらいからは筋肉が落ちるので、予防を考えてほしい」と呼びかけている。

                
 ■運動器健康維持が要介護状態を防ぐ

 平成19年の国民生活基礎調査によると、介護が必要になった主な原因として、脳卒中(23・3%)、認知症(14%)が上位を占めている。一方で、関節疾患(12・2%)が4位、骨折・転倒(9・3%)が5位となっている。関節疾患と骨折・転倒を合わせると、5人に1人が運動器の障害が原因で要介護状態になっており、要介護を防ぐためには運動器の健康維持が一つの鍵を握っているといえそうだ。

【YAHOO!記事転載】


(更新日:2010/02/15)